東洋医学とマインドフルネス

長谷川洋介先生

先日、私の鍼灸専門学校時代からの友人の伊藤岳さんが副院長をしている東文中醫クリニックへ鍼灸マッサージ治療を受けにいってきました。
伊藤さんは中国に留学していて、本場の中医学を学び学生の頃からいろいろとお世話になった同志でもあります。
久しぶりに彼の治療を受けました。彼は姿勢を修正することが得意な人で私の身体のゆがみを確認して、うつ伏せから鍼を必要なところへシュシュと刺していきました。
鍼は受けたことが無い人は分からないかもしれませんが、独特の感覚(鍼の響きと日本ではよく表現することがあります。)があります。そして、これらの感覚には非常にさまざまな感覚があります。
ジュワとする感じやサワーと心地よい感じやドスンと重い感覚など言葉の表現では限界があるものです。
そんな、鍼の一つ一つを感じていくことは、マインドフルネスで行うボディスキャンをしている感覚に近いものがあります。注意が鍼をしている場所に向くので、どちらかといえば、半ば強制的に自分自身の注意が鍼をしている部分に向き、その感覚を味わうようなものになります。ボディスキャンでは意識だけで身体感覚を感じ取る実践を行うのでそういう意味で言えばツボに指標がある鍼やお灸の方がボディスキャンの初歩的な実践としては分かりやすいものかもしれませんね。
鍼やお灸をした後、身体は変化しています。筋肉は緩んでいて、血流が良くなっているのを感じました。全身に注意を向けるとジワーとした感じや、身体の内側からポカポカした感じが味わえました。
そして、彼のクリニックは東洋医学に詳しい医師がいますので、鍼灸だけでなく漢方薬も処方いただけるそうです。体質を改善したい方は行ってみることをオススメします。
全体のバランスを重んじ、身体の調律をするという意味において、マインドフルネスと東洋医学は全く同じ立ち位置だなあと改めて感じた一日でした。