日本マインドフルネス学会第5回大会でポスター発表

小松 智賀先生

2013年に設立された日本マインドフルネス学会は、本邦でマインドフルネスを学び、実践し、研究する専門科たちが所属する専門機関です。毎年、早稲田大学の国際会議場で年次大会が開催され、本年は12月23日に開催されました。そこで、ポスター発表をしてきましたので簡単になりますが発表した研究内容をご報告したいと思います。

今回の研究では、マインドフルネスのクラスに30回以上参加した継続的にマインドフルネスを実践している方に質問紙への回答を依頼し36名の方に回答をいただくことができました。同じ質問紙は赤坂クリニックの初診時にも回答いただいているので、両者を比較し変化を調べました。

その結果、不安症状やうつ症状、社交不安症の症状に改善がみられました。さらに特徴的だったのはTEGⅡ(Tokyo University Egogram;東大式エゴグラム)という自我状態を調べることができる質問紙の結果です。TEGⅡではCP(Critical Parent)批判的な親、NP(Nurturing Parent)養育的な親、A(Adult)大人、FC(Free Child)自由な子ども、AC(Adapted Child)順応した子どもという自我がそれぞれどの程度かを調べることができます。そして人は自我に沿った行動パターンをとると言われています。マインドフルネスを継続的に実践すると、CP批判的な親、NP養育的な親、A大人、FC自由な子どもが増加し、AC順応した子どもが減少していました。つまり、過剰適応状態であった行動パターンが自主的にそして客観的視点からふるまえるようになり、さらに父親的母親的療法を持ち合わせる自我状態に変化しつつあるのではかということが示唆されました。(他にも研究結果は出ましたが、本ブログでは一部抜粋させていただきました。)

このようにマインドフルネスを継続的に実践していくと病気の改善だけではなく、行動パターンの変化やストレス耐性が強化されるといった効果がみられるようになります。ぜひ自分自身をより良い方向に導けるように根気強く実践を続けていきましょう。