マインドフルネスとは
マインドフルネスとは何か
マインドフルネスとは、意識的に現在の瞬間に、そして瞬間瞬間に展開する体験に判断を加えず注意を払うことです。
正確にはマインドフルネスストレス低減法といい、心理学的治療の一つです。今米国の多くの心理学教室にはマインドフルネスセンターがあり、仕事、家庭、経済に関するストレスを抱えた人、慢性疼痛の患者、不安症やパニック障害の患者、過敏性腸症候群の人、不眠や疲労に悩む人、高血圧症や頭痛患者、そしてうつ病の回復期の人が数週間から数か月間のプログラムに通っています。
また、マインドフルネスはうつや不安症の医学的治療効果だけでなく、健常人の生活の質を高める作用もあります。
世界各国の教育現場において、生徒の心の健康を高めるためにマインドフルネスがすでに用いられ、教師はこのスキルを習得しています。
ビジネスシーンにおいては、アメリカの優良企業では当然のようにマインドフルネスを研修で取り入れていますが、この流れはすでに日本にも入ってきており、社員のメンタルヘルス対策として、モチベーション、集中力、創造性、記憶力、生産性などの向上や改善のために、人材フォローの一環としてこのマインドフルネスを取り入れる企業が多くなってきました。
マインドフルネスの実践方法
では、マインドフルネスではいったいどのように実践するのでしょうか?
現代精神医学事典(弘文堂2011)から引用
1979年にジョン・カバットジンによりマサチューセッツ大学医学部にストレス低減プログラムとして創始された瞑想とヨーガを基本とした治療法。慢性疼痛、心身症、摂食障害、不安障害、感情障害などが対象となる。ジョン・カバットジンは鈴木大拙の禅に影響を受け、仏教を宗教としてではなく人間の悩みを解決するための精神科学としてとらえ、医療に取り入れた。その基本的考えは、煩悩からの解脱と静謐な心を求める座禅に軌を一にしている。マインドフルネスの語義は”注意を集中する”である。一瞬一瞬の呼吸や体感に意識を集中し、”ただ存在すること”を実践し、”今に生きる”ことのトレーニングを実践する。これにより自己受容、的確な判断、およびセルフコントロールが可能となる。マインドフルネスは認知行動療法に取り入れられ脚光を浴びるようになった。しかし、認知行動療法は認知の変容を目指すのに対して、マインドフルネスは認知のとらわれからの解放を誘導する。
ヨーガや禅の有用なエッセンスを体系的にまとめ上げ、最適化されたトレーニング法がマインドフルネスであり、ジョン・カバットジンによるMBSR(マインドフルネスストレス低減法)を基本とし、メディテーションやボディースキャン、ヨーガ、シェアリングなどを用い、自己を注意深く観察し、思考と現実の間を感じながら実践していきます。
マインドフルネス実践プログラムの種類
マインドフルネスの実践では、次のプログラム中心に行います。
ヨーガ(ヨガ)
ヨーガのポーズ(アーサナ)をとることは目的とせず、筋肉の緊張と弛緩、呼吸の流れ、体温等、体の感覚と向き合うことに重点をおいた実践を行います。日常生活では意識して動かさない手足指先を意識的に動かすことで、末梢神経を刺激し、脳内物質の活性化を促します。
メディテーション(瞑想)
調身・調息・調心を行い心身を整えていきます。正しい姿勢で、呼吸に意識を向け、整え、それらが整った状態=心の落ち着いた感覚を観察します。
ボディスキャン
身体のすべての部分に意識を向けます。身体の感覚へと意識を集中することで、痛み・安らぎ・緊張・緩みなど日常生活では感じられにくい身体の今の状態を観察します。自分自身を客観視するトレーニングとなります。
シェアリング
複数人で実践したマインドフルネストレーニングを通じて、感じ得た気づきや体験を他者と分かち合います。シェアリングにより自分自身の新しい発見を得るきっかけとなります。シェアリングでは自分自身や他社の意見に評価をしないことが大切です。
その他、イーティング(食べる瞑想)やウォーキング(歩く瞑想)があります。身体が無意識に行っている動作やその時の心の状態を注意深く丁寧に観察することで、新たな気づきを見つけることができます。
マインドフルネスに期待することのできる効果
頭の疲れやストレスは、主に他人や自己への評価、後悔、不安を反芻し考えることで、頭のリソースを使い切ってしまうことによる、といわれています。マイナス要因を繰り返し思考することのない状態に自分をおき、一歩離れたところから、全体を俯瞰し客観視するトレーニングを行うことこそ、自分自身が本来持つ能力を発揮できる状態となるのです。
ニュートラルな状態を保つには、毎日のマインドフルネス・セルフトレーニングが重要となります。但し、人間の偏りがちな考え方が、セルフトレーニングにも起こり得るため、研鑽を積んだ講師指導のもと定期的な実践の継続が重要となります。
東京マインドフルネスセンターで行っているマインドフルネスプログラム
マインドフルネス オンラインクラス
マインドフルネスは、習慣化し実践することがとても大切です。身体を感じ、使うことでストレスを低減していくプログラムですが、その方法を理解しても1度だけの実践では身につきません。繰り返し何度も行うことで、ストレスに対処するスキルを身につけることができるのです。
東京マインドフルネスセンターのオンラインクラスは、どなたでもご参加いただくことができ、初心者向け通信講座から忙しい毎日でも気軽に参加することができるショートクラスなどを実施しています。
オンラインクラスですから通信環境さえ整えば、自宅での実践はもちろんのこと、自宅とは別の場所、例えば旅行先の宿など普段とは違った環境で実践するのも楽しいマインドフルネスのトレーニングとなるでしょう。
ホームページからクレジット決済で簡単にお申し込みいただけますので、是非一度お気軽にご参加ください!
MBSR(マインドフルネス ストレス低減法)クラス
「マインドフルネスストレス低減法」としてジョン・カバットジンによって創始された治療プログラムは、ヨーガとメディテーション(瞑想)で構成された8週間のプログラムです。本来、マインドフルネスのレッスンは、MBSR(マインドフルネスストレス低減法)が基本です。
年間5~6回程度、8週間2か月の期間でMBSRクラスを開催しています。
マインドフル・セルフ・コンパッション (MSC®) クラス
「セルフ・コンパッション」とは、「大切な友人を思いやるように、自分自身の痛みや苦しみに寄り添う」こと。セルフ・コンパッションの度合いが高い人ほど、不安や抑うつが低い傾向にあり、心理的幸福感や人生に対する満足度が高く、対人関係も良好であることが知られています。
マインドフルネス実践クラス
お知らせ:コロナウイルス等感染症予防対策として、現在スタジオでのマインドフルネスクラスの開催は休止しております。オンラインクラスをご利用ください。
マインドフルネス ヨーガ、瞑想(メディテーション)、ボディスキャン、シェアリングなどを週に数回実施しています。MBSRのように連続したスケジュールではないので、ご自分のペースでご参加いただくことができるクラスです。
マインドフルネスリトリート
その他、赤坂スタジオでも月に一度、1dayリトリートを開催。1日マインドフルな環境に身を置くことで、ゆったりとした時間を過ごすことができます。時にはウォーキングなども行いますが、赤坂周辺には意外にも自然が残り新しい気づきや出会いがあるかもしれません。
東京マインドフルネスセンター設立について
赤坂クリニック(貝谷久宣 理事長)では、この最新の精神医学「マインドフルネス」を実践できる場所として「東京マインドフルネスセンター」を2013年6月に開設しました。
東京マインドフルネスセンターは主に一般の方対象として、ストレス耐性の向上や感情のコントロール、記憶力や発想力の向上など生活の質を高めていく場として活動しています。心理学的治療ヨーガとメディテーションを基本としたプログラムを実践しています。みなさんの心や脳に関係するトレーニングですから、研鑽を積んだ講師のもとで実践されることをお勧めします。
うつや不安症の医学的治療では、赤坂クリニックの和楽会マインドフルネスセンターがあり、赤坂クリニック以外に通院中の方でも、自立支援を受けて参加いただくことができます。詳しくはこちらをご参照ください。